兄貴の話。
[ネット住民の兄貴]
[ゲーマーの兄貴]
[みんなの兄貴、阿部さん]
どの兄貴も兄貴で正解ですが、あえて今回は自分の兄貴の話。
たまにふと昔のことを急に思い出すことがある。
兄貴に支配されていたあの時代のことを。。。
男の兄弟ではありがちなことだと思うけど、
兄弟の中では長男は絶対的な権力者だ。
Natasyaの家も例外ではなく、
まるで董卓のような暴君が支配する暗黒な時代があった。
今日はそんな支配されていた時代の話をしよう。
Natasyaはまさに遊びざかりの小学生の高学年だった・・・。
すでに家庭の中は暴君に支配されており、学校は光、家庭は闇の時代。
暴君に対するもうひとつの抵抗勢力である次男は歴戦を繰り広げた結果、
冷戦に突入しており、一定の距離を保っていた。
Natasyaは三男。長男(暴君)との年齢差はわずかに3歳であるが、
この年齢での3歳差は実に腕力では倍くらいの差になる。そのため、
この時のNatasyaはその腕力を持ってすでに暴君の支配下に置かれていた。
たとえばこんな風に。
ある日、友達を家に招いてファミコンをしていた・・・。 <エピソード1>
当時はやっていたドラクエⅡ。
友人と盛り上がっていると、廊下の向こうから兄貴がこちらを見ている。
そして、手で「こっちへ来い」と合図を送っている。
自分は当然、見えてないフリをするんだが、しばらくしても合図は止まらない。
これ以上の見ぬフリは危険領域に突入すると判断した自分は兄貴のところに行く。
「なに?」
「今すぐ友達を家に帰せ」
「なんで?」
「ムカつくからだ。」
「そんなの嫌だ。」
「早くしろ。5分以内だ」
まさに暗黒!。理不尽極まりない!。
どういう理由で帰ってもらったかは覚えていない。
ただ、5分間ではドラクエⅡの復活の呪文をメモすることもできなくて
とても悔しい思いをしたのは覚えている。
ある日、兄貴に呼ばれた・・・。<エピソード2>
「この金でビックリマンを買って来い」
言わずと知れたビックリマンチョコ(シール)。
当時あまりに人気に、偽物の出現や、チョコを捨てる子供など
色々と社会現象になっていたほど。そのビックリマンチョコを買ってこいと言う。
そこまでは普通のパシリであって、特別どうこう思うことはなかったのだが、、、
「この金でビックリマンを1箱買って来い」
といって1200円渡される。
1箱は40個。1個30円だから、お金は過不足無いって?。
いやいや・・・、当時ビックリマンは人気過ぎて売り切れ続出の状況ですよ。
そもそも物が無い。しかも、そんな状況に対応するために
一人3個までしか買えないようにしてる店がほとんどだった。
そんな状況を知っていて、このパシリ指令・・・。これは、
悪魔の所業である。
結果、その日は一日中、知っている駄菓子屋を自転車でまわった。
箱では変えなかったが、相当数のビックリマンを買い集めたのだった。
そして夜、
「おい、コレ食っていいぞ。」
渡されたのは、シールを抜かれたビックリマンチョコを約30個。褒美である。
ビックリマンチョコは普通においしかった。ただ、たくさん食べるには喉が渇いた。
牛乳に浸して食べるなど、色々と食べるにも工夫をして毎日少しずつ食べていた。
その後、暴君が母親に超怒られていた。
暴君もさすがの母親には勝てないのだが、親に怒られたあとは弟に当たられるのが
分かっていたのでうれしくもなかった。だがその日、暴君が怒られていた理由は、
母親の財布からお金をくすねたことがバレたから。
もちろん、そのくすねたお金はビックリマンを買うために自分に渡されたお金だった。
ビックリマンチョコが急に不味く感じたのを覚えている。
ある日、兄貴に呼ばれた・・・。 <エピソード3>
「この信長の野望をお前の好きなカセットに替えてきていいぞ」
そういって、ファミコンのカセット「信長の野望」と500円を渡された。
当時、「ファミコンショップ コスモ」という店があり、そこではファミコンのカセットを
500円で交換することができた。(ただし、カセットにランクがあり、ランクUPは別料金)
「信長の野望」を含む光栄から発売していたカセットは、そもそもカセットの定価が
1万円を超えており、コスモでのランクは最上級のSランクにいた。
つまり、500円ですべてのカセットに交換可能な状況であった。
ファミコン少年だった自分は正直うれしかった。
「お前の好きなカセット」 に変えていい、と暴君は言っている。
つまりこれは褒美の一環だろう。 それとも、まさかトラップ・・・?。
褒美だと信じていたが、どうしても一抹の不安が自分を掻き立てる。
自分の好きなカセットはあった。だが、しかし、暴君の好きそうなゲームもある。
結局コスモではその究極の選択に2時間迷ったあげく、
最終的には自分がやりたかったゲーム、ファイナルファンタジー2を選んで家に帰った。
そして、暴君に報告の場がきた。
「ゲームを交換してきた」
「で、何に交換してきた?」
「ファイナルファンタジー2」
「バカか!俺はRPGが嫌いって言ってるだろが!。死ね!」
だよねー!
選択間違った俺、死んだ方がいいよねーっ!
・・・なんていう鬼畜!。
そんな扱いを受けたファイナルファンタジー2は、
さすがに暴君の前でプレイするわけにはいかず、
しばらくの間、タンスの中に眠ることとなる。
さて、しばらくそんな悪政の支配下にあったNatasyaですが、
高校に入学するころには暴君が東京に行くことになるため、
平和が訪れることになりました。めでたし、めでたし。
※この物語はフィクションです。(と言いたい!)