世界中の仮想アニキ達が集うという「妹カフェ」というものが、
名古屋の大須にもあるという。
そんな情報を入手したのは、会社の後輩S君が
俺のもとにあるチラシを持ってきたからだった。
S君:「Natasyaさん、こんなんありますよ」
そう言って差し出したのは、一枚のチラシ。
チラシはガンダムカフェの広告チラシだった。
Natasya:「すまん。残念ながら俺はエヴァンゲリオンに興味はあっても、
ガンダム自体にはまったく興味が無いんだ・・・」
そう返すと、さらにこう繋げてきた。
S君:「いや、違いますよ。ここ見てください」
そう言って、S君が指差すところに目をやると、
地図らしき絵の中にこう書いてある。
「妹カフェ」
Natasya:「なんだそりゃ!?。そんなんあるのかよっ?」
俺の期待通りの食いつきを見てS君はニヤニヤしていた。
っていうか、こんにゃろう、いつの間に俺の趣向に詳しくなったんだよ・・・。
秋葉原のメイドカフェで、コーヒーに「このド変態!」と書いてもらってから早3ヶ月、、、
見ず知らずのメイドさんに「ド変態!」と言われた時に感じたグルーヴ感を
忘れられずにいた俺は、妹カフェと聞いて反応せずにはいられない体になっていた。
それからというものの、自分の中で
妹というシュチエーションに対しての妄想が止まらない・・・。
我々仮想アニキ達が真っ先に思い浮かぶシュチエーションといえば、
なんと言っても、あだち充の代表作「みゆき」だろう。
※言わずと知れず、あだち充とはあの「タッチ」の作者でもある。
二人の「みゆき」に翻弄されながら、結局は血のつながりのない「妹」と
結ばれてしまうという、シスコン萌え萌え漫画の金字塔というべき存在である。
そう、同世代の我々仮想アニキ達の中では、幼心に見たアニメ「みゆき」が
知らず知らずのうちに心のバイブルになっており、「みゆき」と聞くだけで萌えるように
シスコン魂を植えつけられているのだ!。
ちなみにNatasyaの直属の上司には、「みゆき」という妹がいる。だからと言って
上司に向かって「みゆきという妹がいるなんて最高ですね」なんてことは
口が裂けても言えないのだから、本当はわざわざここに書く必要もナイ!。
そんな背景もあって、
妹カフェのチラシ(実際はガンダムカフェのチラシ)を持ってきたS君と、
職場後輩のK君に対してこう言った。
Natasya:「明日、妹カフェに行くから。」
S君&K君:「ええ~~・・・」
翌日、嫌がるフリをしながらも本当は内心萌え萌えしている後輩3人を引き連れて、
大須にある妹カフェに向かった。
前に見せてもらったガンダムカフェのチラシを誰も持っていなかったので、
急遽S君の持っているiphone3Gで検索するが、ゴチャゴチャしている大須の街で
地図の場所を特定するのも難しい・・・。
Natasya:「もう、通行人に聞こうぜ。妹カフェはどこですか?って」
S君&K君:「いや、それはカンベンしてくださいョ・・・」
ちぇ。
とまぁなんだかんだで、ようやくの思いで到着した妹カフェ。
扉を開くと、そこにいたのは、妹の適齢期を過ぎている二人の妹だった。。。
その時に、「妹」という定義の中には、年齢的な制限(18歳未満)と、
身長制限(155cm未満)の制限を加えるべきだと思った。
妹:「お帰りなさい、お兄ちゃん♪」
うん、いい響きだ。
そんな妹にさっそく自己紹介。
Natasya:「ちなみに俺の好きな妹シュチエーションは、
『兄貴の入ったお風呂になんか絶対に入りたくない!』だから。」
そんな30歳過ぎのおっさんの意味不明なカミングアウトにも特別動じることもなく、
妹はサラリーマン4人を店内の席に案内してくれた。
店内には、その店で勤務する全員の「妹」の写真がかざってあったので、
拝見させていただいたが、Natasyaの考える定義する妹条件に一致するのは、
約1名だけであった。(ちなみにその娘は今日は出勤していない・・・)
ということを特別「妹たち」に告げることもなく、
お店の売りである「妹たち」が作ってくれる手料理を4人べつべつの物を注文した。
Natasyaは尋常でないお値段と思われるすぺしゃるオムライスを注文。
なぜならば、すぺしゃるオムライスは、「妹たち」が大きなお兄ちゃんの為に
ケチャップで素敵なメッセージを書いてくれるのだ♪。
とうぜん、メッセージについてはこちらから要望を出す。
で、出てきたオムライスはコレ↓。
[バカあにき!・・・でもスキ☆]
おお、いいじゃない!。80点!。
いいツンデレっぷりだ!。ポイント高いよ!。
本当の妹にこんなん書かれたら、おにいちゃん、困っちゃうなぁ~☆。
でも、他の3人の兄貴たちは、どうも料理にご不満の様子・・・。
S君:「オムレツは別として、他の料理は飾り気の無く男の料理みたいだ・・・」
K君:「この値段でこの品質はありえない・・・」
などなど、不満を垂れていた。
だから俺は言ってやった。
Natasya:「料理が下手な妹なんてサイコーじゃないかよっ!」
料理が下手なのに兄貴の為に何か作ろうとしてくれている。
その妹のせつない気持ちをなぜ汲み取れない!」
どうやら、妹カフェを堪能できていたのは俺ひとりだったらしい。
そんな感じで楽しくわいわいと約60分。
仮想妹との楽しいひとときも制限時間いっぱいとのこと。
しかたないので大きな妹たちともお別れをして、
そこからは4人の大きな兄貴達が妹たちについて語る反省会。
どうやら、俺以外の兄貴たち3人は色々とご不満の様子・・・。
妹たちが可愛くないやら、妹たちが作った料理の味がどうやら、、、
まったく、この期におよんで妹の不満を言うなんてけしからんやつらだ。
兄としての自覚が足りないとしか言いようが無い!。
そういう妹の足りないところも含めて、大きな包容力で
妹をしっかりと見守ってやるのが兄としての勤めである。
よし。俺は今、本当の兄より兄らしいことを言った!。
家に帰ってから酔った勢いでその日の出来事を嫁ちゃんに話した。
うちの嫁ちゃんは非常に俺のことを理解してくれているので、
楽しそうにしゃべる俺に対して、ただ「うんうん」と聞いてくれていた。
そして翌日の夜。。。。
その日の晩ごはんはドライカレーだった。
俺はそのドライカレーを見て驚愕した。
[バカ~?]
惣流・アスカ・ラングレー ばりの言い回しで、
しっかり旦那をののしってくれる理解のある嫁ちゃんであった。