漢のとんかつ屋

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私の肥えた黄金の舌を持ってでも急に食べたくなるトンカツがある。

ある日、急に食べたくなってしまった私は15分歩いてそこに行った。


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[とんかつのあずま]

このとても綺麗とは言えないたたずまい。
客が入る入り口に室外機を配置するという配慮の無さ。
暗くてまったく中が見えないのだが、営業中という札によって
一応ここは店なのであるということを知らせてくれる。
しかたあるまい、ここは私の父親の代から通っているある意味老舗なのだ。

一歩店に入ると客はいない。。。
改めて「本当に入ってよかったのだろうか」と思わせる。
暗い室内、乱雑に生活用品が置かれた座敷。可燃ゴミの袋が無造作に置かれている。
まるでワイドショーで目にするゴミ屋敷に入った気分だ。この時点で女性は音を上げるだろう。

  「‥いらっしゃい。」

部屋の片隅からいかにもやる気無さげにマスターが出てきた。店の置かれている
TVを視聴されていたようで、なんだか来てはいけなかったのかという気持ちになる。
水を持ってきたマスターは何も言わずにこちらを見ている。この店にはメニューは無い。
壁に貼られている紙がある。しかし油まみれで茶色くなって壁と同化しており、
初心者が行ってもそれがメニューであると判別することは間違いなくできないだろう。

一応、貼り出されているメニューは下記の通りだ。
・みそかつ(小)  1200円
・みそかつ(中)  1500円
・みそかつ(大)  1800円
・トンテキ(小)  1400円
・トンテキ(中)  1700円
・トンテキ(大)  2000円
・ライス  200円

要するに、みそかつとトンテキだけなのだ。セットなんて気の利いたモノなど無い。
その点については通っぽくて好きだ。いつものように「みそかつ(中)をひとつ」と注文すると
ようやく揚げ油に火をつける。

  「いつからの油なんだろう・・・」 ( ̄□ ̄;)  あえて考えないようにする。 

マスターが冷蔵庫を開き、中から肉の塊を出し目の前で切り出す。

  「冷蔵庫の中には肉とキャベツしかはいってねー( ゚∀゚)」  もちろん声には出さない。

そして中に熱を通す為なのだろう、電子レンジに入れている。
そしてその間にマスタードを出してくれるのだがこれがまた酷い。マスタードの入れ物は
前の人が使ったのであろうマスタードが入れ物にこびリ着いており固まっている。
私用に新たに入れてきてくれたものがその中に黄色い液体として入っている。

  「何回来てもさすがにコレはキツイぜー」(*゚Д゚)/  と、心の中でとりあえず叫んでみる。

そしてマスターが肉に衣を付けた。そして油で揚げだす、と思ったら
すぐ油から出した。その間わずか10秒。

  「それホントに揚げてんのぉーー!?」  (っ゚Д゚;)っ と動揺してみるが顔には出さない。

あれだけ厚い肉だと、ミスター味っこでは二度揚げをしていた。(そして味皇様に認められる)
そんな妄想をしている間に、おっさんが揚げた肉とキャベツを皿に乗せ味噌ソースをかける。
そしてみそかつ(中)は私の中に出された。横にはライスとナイフとフォークが並べられる。
見た目はなかなかだ。(写真を撮りたかったが客が自分ひとりなので気がひけた・・)

ナイフで一口サイズに切り分けて口に運ぶ。
 
  「う、うまいーーーー(゜∀゜)------!!」   

なぜなんだ、特に特別な感じには見えなかったが。。。
そうだ、この味噌ソースだ。これがこの肉のうまみをここまで昇華させているんだ!。
八丁味噌をベースにやや甘めにしつつもソースの中にはひき肉?らしきものが
溶け込まれており、これが究極のコクとうまみを引き出している。最高の味だ!。
私の見えないところで鍋からさりげなくよそわれたこのタレこそが、
この店をここまで支えている全ての要因なんだ!。

確かに店の外見、内装ともに見れたものじゃない。マスターも気の利くおっさんではない。
二つ横のイスには可燃ゴミ袋が無造作に置かれている状況かもしれない。
でも、本来、飲食店の評価すべき点というものは絶対に味なんだ!。
それをものすごく実感した。

完食後、お代を払う際に心からこう思った。


  ( ´_ゝ`) オヤジ、これからもがんばれよ・・・。
        あといい加減掃除しようぜ・・・。


ちなみにその男の店があるところは下記MAPの通り。
是非、漢のとんかつをたんのうしてほしい。


tonkatsunoazuma.gif

[愛知県岡崎市康生町周辺]

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